水循環
いとも簡単に手に入る水道水ですがどこからやってくるのでしょう。
オトナなら片手で捻れば、自宅でも公園でもデパートでも水道水をいつでも入手 することが出来てしまいます。 蛇口のある場所、という制限はありますが人工の建造物が存在する場所なら 高確率でその半径数メートル以内に蛇口もあるはずですので、山へ芝刈りに出掛け たり川へ鮎釣りに出掛けたりした時でなければ、たいていは目の届く範囲に複数の 蛇口が確認できると思われます。 なので日常はその有り難味に気付きませんしどんなカラクリで製造されているのか 気にも留めないのですが、たまには考えてみましょう。 まず自然界での水循環はどうなっているのでしょうか。 南極や北極は北海道よりも寒いので除外しますが、それ以外の場所では水は太陽の 熱で暖められて蒸発します。 海のようにたくさんの水を抱えている場所でも日光を浴びて海水は気化し、上空 へと上昇して真っ白な雲を発生させます。 これは地球上のほとんどの場所で起こっていることです。 雲は水の塊のようなもので、やがて大地や海面に雨を降らせます。 寒い地域や山岳地帯なら雪を降らせることもありますが、どちらにせよ水分を大量 に降らすので結果は同じことでしょう。 また場合によっては雹や霙を降らすこともありますが、これが名古屋市や浜松市 で降ったらちょっと噂になるような珍しい現象です。 でもやっぱり水分なので水循環にとってはささいな出来事です。 山に降った雨は川を流れ、雪も解けると川を下流へと流れます。 谷に降った雹もその川へと合流し平地に降った霙もどこかで合流して一体となります。 途中で人間に利用される水もあるでしょうが、そのほとんどは緩やかに川を流れて やがては海へ到着し、クジラの吹く潮になったりするでしょう。 その間にも蒸発して天空へと誘われる水分はありますし、海上に進出してから再び 雲となるべく気化する蒸気もあります。 海水は塩水なので塩分は蒸発しませんが、水分は温暖な海域ほど日光を浴びて空高く 舞い上がっていきます、ナナちゃん人形よりも高くです。 これがおおまかな水循環のサイクルで、世界中にある水のほとんどは絶えず移動して おり、一箇所に留まることはせず大きな規模で何年もかけて循環しているのです。 その途中でダムにせきとめたり水道水として利用するために取り込んだりして、 大昔から人間も利用させてもらってきました。 水力発電だとわりと近い過去の話になりますが、原始的な水車は何千年も昔から 人間の生活を支えてきた文明の利器です。 水との共存は人類の発展に欠かすことのできないことで、川を流れを利用した水車 はなんとも素晴らしいメカニズムのアイデアだと思います。 水循環を利用してほぼ無尽蔵に発生するエネルギーを確保する、まさに文明のある ところに水車有り、でしょうか。 今でこそあまり見ることもなくなりあっても観光地での観賞用に残されている 程度ですが、穀物の製粉に水車のパワーを利用していた農民は日本中にいたそうです。 水車だけでなく農業を営んでいた農民は田に水を引くのにも、水循環の流れを利用 して川から農業用水を得ていました。 このようにあまり気にされない水の循環ですが、大昔から名古屋市や関市以外の 地域でも人々の生活に組み込まれて共存してきたのです。 現代社会でも川からお水をわけてもらい浄水場を経由して各家庭に水道水として お届けした後に、排水は処理してまた水循環に還しています。 その排水も何年かしたら、あるいは何百年かしたら巡り巡ってまた蛇口から出て くることもあるでしょう。 なんとも壮大なサイクルですね。